声優に見た目は必要です。
不本意ながら、そういう時代になってしまいました。
声優とは、声の演技をする俳優です。声の演技をする上で、外見の良し悪しは全く関係ありません。
しかし、仕事の上では必要不可欠となってしまいました。
近年では、声優の顔出しは当たり前になりました。当たり前のように雑誌の表紙を飾り、CDを出し、LIVEや写真集、ファンミーティング……声優の仕事というのは非常に多岐にわたります。
おかしな話ですが、多少演技ができなくても、容姿が良ければ仕事をとれる時代なのです。
見た目が良い役者を起用すれば、大きな利益が生まれます。
たくさんのファンが熱心にお金を落としますから。
どの職業でも、というか誰に対しても言えることですが、容姿がいいに越したことはありません。絶対に得になります。
声優の場合、本分である演技が軽視されていることが問題なのです。
以前、新人声優数名がグラビア雑誌で特集されているとの話を聞いて、もうよくわからなくなりました。もちろん働いている当人たちは生きるために必死ですから、彼女たちは責められません。
そういう需要を作っているのがおかしい。
今から声優になろうとする人は、間違いなく見た目も採点基準になるでしょう。
容姿は努力である程度良くすることができます。せめてそこまではしないといけないのかもしれません。
以下、僕の暴論。
どうでもいいとまでは言わない。技量が同じなら、容姿も良いに越したことはないさ。
けれども、演技の質を下げてまで、容姿が良い人を起用してほしくない。
いや、今活躍されている若い方々が、容姿ばかりで下手だというわけじゃない。よしんば下手だったとしても、「仕事を取るための努力」を惜しまなかったのだろうと解釈すれば、それは非常に素晴らしいことだ。
世間の「容姿は良い方が良い」という当たり前を、声優に適用してしまったのが良くなかったのではないか。
わからなくはない。「作品が良いのは、演者が良いのだ」と、演者に目線を向けるようになったのは良かったはずだ。それが今では、消費者は作品に拍手を送るよりも前に、演者に手を振っている。
いけないことではないんだが、僕は好きになれない。
「声優ありきの作品」という見方は、あまりにも報われないじゃないか。
(声優の人気に頼らないといけない作品が多い、という事実もまたあるんあけども)
それはそれとして、声優ってもう飽和しているからなあ。女性は特に多いし。言い方は悪くなるけれど、使い捨てに近い場合もある。
なんとも言えないが、ため息ばかり出てきますわ。