8ヵ月以上前に、こちらの記事で、バーチャル YouTuber (VTuber) の今後について語ったのを覚えておられる方はいらっしゃいますか。
当時の予想を振り返りつつ、現状について語っていきたいと思います。文中は敬称略とさせていただきます。
当時の予想は当たっているか
男性VTuberの出現
既に他企業は動き始めていることでしょう。
女性向けに男性バーチャルYouTuberを作っているとみて間違いありません。
現状でも男性のバーチャルYouTuberはいます(ばあちゃるなど)が、もっとこう、露骨に狙ったものを出すでしょうね。
……私見ですが、大して掴めないと思います。
もし出すのなら、声優を有名な人(わかりやすく言えばプロ)にした方がいいのではないでしょうか。
偏見かもしれませんが、女性に対しては今のバーチャルYouTuberと同じ戦略が通用しないと思うのです。『中の人』を大っぴらにしないと食いつかないのでは……。
結果。
少しは出始めました。
しかし、女性(型)の VTuber が圧倒的に多く、非常に肩身が狭いのが現状です。というか、ここまでの男性 VTuber は、あまり女性向けとして認知されていないと思われます。
数としては、当然増えました。しかし、男女比率で見れば、大して差がありません。
女性向け VTuber は、今後も出てこないのでしょうか……?
いやいや、ちゃんとキそうな方々を見つけて参りました。
僕が言うところの「露骨に狙った」印象の方々です。
新しい市場、もっと広がって欲しい。
【追記 2019/1/16】
この「ぶいめん」という方々は、元々『すとぷり』として有名な方々だったんですね。
VTuberとしての活動を広げる気配もなさそうですし、僕のヤマはハズレでしたね……。
クオリティの低いものが乱立する
これにかんしては、企業というよりも個人製作の場合でしょうか。まさかとは思いますが、のじゃロリと同じスタイルで売っていこうという人はいないでしょう。……それは無理ですよ?
後で述べることにも関係しますが、バーチャルYouTuberの技術は、資本なしにおいそれと真似できるものではありません。マンパワーも足りなくなるでしょう。
それを強引に作ってしまえば、残念ながら良い物にはなりません。
個人製作ができないとは思いませんが、適切な方法をとらないことにはうまくいかないと思います。
見事に大当たり。……誰でも想像つくわな。
VTuber として活動を始めるのは、それほど難しくなくなりました。
しかし、粗製濫造は、やはり免れませんでした。
意外だったのは、のじゃおじスタイルを取った人たちが多かったことです。
後でしっかりと述べますが、結局のところ続かないのです。
誰にでもチャンスがあった時期は、とうに過ぎ去りました。今は勝ち抜かなければならない時期になってしまっているのです。
100位以内の中にいても、投稿をやめた人たちが多い。
『VTuberを目指す人』を食い物にしようとする人や企業が現れる
何においてもそうですが、他人の夢を食い物にしようとする人や企業が、ハイエナのごとく現れるでしょう。
いえ、実際手助けになる場合もあるでしょうし、否定するわけではないんですが。
ただ、『YouTuberを目指す人』を食い物にする人たちがいるなら、『バーチャルYouTuberを目指す人』を食い物にしようとする人たちもいるでしょう。
危機管理はしっかりとしてほしいですね。
いたのですかね。いたとしても表に出てくるわけがないので、わかりませんが……。
ただ、募集サイトに「VTuber になりませんか」なんて書き込みはありました。それくらいならまだいいほうで、技術者の方を募集している方もいましたね。……それは見通しが甘すぎる。
インターネットの情報や書籍の類でも、VTuber に関するものは多く出たのではないでしょうか。
とはいえ、これらは趣味の部類というか、手に入れて全く損するような情報ではないでしょうし、食い物にされたとは言えませんね。
2018年1月ブームの先は……?
あくまで私の予想ですが、年が明けて一週間もすれば、一旦収まるでしょう。その後はキズナアイとミライアカリが本流となり、シロは一歩遅れながらも確実についていきます。輝夜月が小規模ながら連続的に起爆を繰り返し、時折シロも話題をかっさらうことになるのではないでしょうか。
のじゃロリですが、今よりは人気も落ち着くでしょう。本人の意思によって今後が大きく変わってくると思います。
そして、良くも悪くも第二次バーチャルYouTuberブームが起きます。先述した、男のバーチャルYouTuberです。
同じ戦略では売れない、第一次バーチャルYouTuberブームのターゲット層からは叩かれる、そもそも女性層から中の人の人気くらいでしか支持が得られない…………。
どうなるんでしょうね!
だいたいハズレ。
年明け1週間では、まったく収まりませんでした。今は落ち着きましたが、余波はまだあると言ってもいいでしょう。
キズナアイは、草分けとして登録者数をリードし続け、コンスタントに動画を投稿しています。安定した再生数もありますし、メディアミックスも多く行っていますね。
追従する形ではあれど、規模を大きく広げ続けているのが、輝夜月、ミライアカリ、電脳少女 YouTuber シロ。いわゆる四天王のうちの3人ですね。
のじゃおじに関しては、予想通りの展開に。以前の記事を出した後は「けもみみおーこく国営放送」として活動を続けるも、最近になって「バーチャル番組チャンネル連盟」に路線を変更しました。
彼(彼女?)のやりたいようにやるのが一番ですし、「VTuber の可能性を拡張する」という理念は応援したいものです。
第二次 VTuber ブームは、まだ訪れていません。これから来るのか、それとも来ないのか。何とも難しいところです。
ただ、ここまでで活動を続けている上位の VTuber は、きっとこれからも第一線で戦っていけるでしょう。それだけ、VTuber には他のジャンルにない魅力があります。
たぶん、初音ミクを筆頭とした『ボーカロイド』に近いくらいの革命になった。
VTuber の現状と課題
1月末の VTuber 人数は181人。半年後の7月末では4475人。20倍以上に増えていますね。そりゃ市場も飽和するわけだ。
収益化に課題、VTuberは4,300人いるが更新が続かない #GREEVTuber pic.twitter.com/32i5Wo7RdA
— Mogura VR (@MoguraVR) 2018年8月7日
このツイートを見ると、現実の厳しさを思い知らされます。
数自体は普通の YouTuber よりも少ないですが、利益を出そうとすると、非常に難しくなります。
というのも、作成するのにコストがかかるので、続けて投資をするよりも、畳んでしまった方が安く済むと判断されるのでしょう。
現在、 YouTube だけで生計を立てていくのは非常に難しいです。昔よりも基準が厳しくなり、競合する相手も増えているからです。
それが個人ではなく、企業であればなおさらです。1人の VTuber を専門にした団体は生き残りが難しく、リスクが取れません。元手がないと厳しいです。
普通の YouTuber であれば、趣味として活動するのも簡単でしょうが、VTuber となると多少ハードルは上がります。
逆に、他に事業を持っているのであれば、広告・宣伝として VTuber を使う手はアリだと思います。すでに『ハッカドール』や『殺戮の天使』が行なっていますね。
相乗効果で、本業と共に伸びるかもしれません。
若者の認知率が高いのは、救いになるだろうか?
バーチャルキャストはニコニコを救うか?
VTube とは、少し違う話になります。ただ、今後の VR に関わる話。
niconico の新サービス。まだ β 版ですが、Virtual Cast (バーチャルキャスト) が提供されています。
参入障壁は、niconico 内の他のサービスと比べれば、やや高いです。しかし、VTuber よりも未来があるかもしれません。
精度が甘いものの、 VR 空間に複数の人間が入れます。生放送が中心になりますが、これは VR の楽しみが大きく広がる可能性に繋がっています。
参加している人数がまだ少ないので、十分チャンスはあるかと思います。
またサービス自体も、さらに進化していくのではないかとみています。
ニコキャスよりは意義があるかと。
VTuber の今後はどうなるのか
VTuber の数が減り始めると、いよいよ取捨選択が行われていくでしょう。
数自体は増えていても、実態は活動していないわけですから、残念ながらすでにしぼみ始めているかもしれません。
それでも、残った一部の方々により、ジャンルとしては残り続けるでしょう。
ブーム自体も、何かのきっかけで起こると思います。
後はやはり、どれだけ女性の顧客を集められるかどうか。
少年誌が女性の人気で盛り返す時期があるように、サブカルチャーのコンテンツは、瞬間的な男性の人気だけでは保てません。継続的な女性の人気があれば、なおのこと強いでしょう。
さて、どうなることやら。