厨学生日記

サブカルと創作、そして黒歴史、厨二病

恐るべきは金足農業・吉田輝星選手の主人公力

金足農業高校が、破竹の勢いで決勝に出場。明日、8月21日に大阪桐蔭高校と対戦します。

優勝候補であった横浜高校と日大三高校を破った彼らは、最後の強敵を倒して、東北勢として初の優勝旗を持ち帰り、母校に錦を飾ることができるのでしょうか。

前置き

今の甲子園熱に水を差すような、容赦のない話を書きます。

ご注意ください。

 

ここから先の前置きは、読み飛ばしていただいて構いません。

 

僕は、公立高校の野球部出身で、地方大会で敗戦した程度の元選手です。

それでも、少しは野球を知っていると思います。その上で、今回の記事を書きます。

 

なお、僕は高校野球自体がそこまで好きじゃありません。その理由は、単純に面白くないと思うからです。

努力が嫌いであり、その様が美しいと手を叩いて涙を流す人たちのことが、あまり好きではありません。

例えば、良いプレイ自体は好きですが、最終回のゴロアウトで、一塁にヘッドスライディングする『定番』『演出』『パフォーマンス』が大嫌いです。(「ヘッスラの方が遅い」とは思いませんが、これについてはまたの機会に)

特に高校の好き嫌いはなく、あえて言うなら地元や同じ地方出身の高校を中心に、試合を見ています。

 

とまあ、こんな人間が書きます。

 

注目したきっかけは大垣日大戦。次は近江戦。

地元である中部地方の試合は全て見ていたのですが、たまたまテレビをつけていました。

 

先にスコアをお見せしましょう。

金足農 120 000 012-6

大垣日大102 000 000-3

 

野球をやっていた人なら、あの試合の流れがわかったことだと思います。

4回以降、大垣日大の監督は、とにかく1点を取りにいきました。それで試合が決まるとわかっていたからです。

結果的には、金足農業の大友選手が一発を放ち、大垣日大は得点することができず、そのまま敗退しました。

完投の吉田選手を見て、確かに高卒で指名されるべき選手だと思いました。

そしてなにより、僕にとって、この試合はとても面白かったのです。

 

次に金足農業の試合で印象に残っているのは、ツーランスクイズで逆転サヨナラ勝ちした、近江との試合。

近江目線で言うのなら、ツーランスクイズへの対策が甘かった。サードを守る選手はステップがひとつ多かった。投げる前から二塁走者が三塁を蹴っていることに気付ければ良かった。。ファーストは打者走者の1アウトを捨ててでも、ホームを殺しにいくべきだった。そもそもを言えば、満塁にしてしまったのがいけなかった。

金足目線では、スクイズで確実に一点を取れるのが前提として、二塁走者と三塁コーチが「もし死んでも、同点かつ二死三塁で続けられるから、狙いに行こう」と思えたのが素晴らしい。

あの試合は劇的でした。

「そろそろ負けるかな」と、ヒーロー嫌いな僕のほくそ笑みは粉砕されました。

『甲子園の魔物』は、試合の流れそのもの。

 

金足農業・吉田輝星選手は、甲子園の主人公になった

僕は、金足農業が吉田選手だけのチームだと思っていません。

それでもやはり、金足農業の中で一番注目すべき選手だと思います。

 

高校野球は、ルールを知らない老若男女でも応援しています。それだけ注目されています。高校生の部活の全国大会で、野球ほど注目を集める競技もないでしょう。

それはつまり、世間が注目していると言えます。

金足農業は、恵まれていない環境からの下克上であり、言ってしまえば、同情に近い感情から始まる世間の後押しを得たと僕は思います。もちろんこれは、結果があってのものです。

Twitter では、金足農業が勇者で、大阪桐蔭がラスボスにして魔王などと言われております。構図としては、確かにそうですね。そう思わせてしまうあたりが、ここまで勝ち抜いてきた金足農業の凄さ。

 

吉田選手は、実力という意味ではそれほど圧倒的ではありません。プロでも即戦力になるような、絶対的選手ではありません。ストレートはキレが良く、コントロールも高校レベルでは十分ですが、甲子園を賑わせてきた伝説の選手たちよりは劣ると見ています。彼の中で特に素晴らしいのは、スタミナと力配分、野球のセンス(野球脳)、大崩れしない心持ち。これが、彼がドラフト指名されるであろう要因だと思っています。

 

それでは言い表せない、彼の主人公力。

去年までプロ野球で活躍していた、元日ハムで現エンジェルスの大谷翔平選手に近いものがありますね。

 

実力の大阪桐蔭か、流れの金足農業か

実力で言えば、金足農業よりも大阪桐蔭の方が高いでしょう。

より言ってしまえば、金足農業が今まで勝ってきたチーム相手でも、10戦すれば負け越すだろうと思います。

それでも勝ち続けて、世間を味方につけた金足農業と、その中心である吉田選手。

大阪桐蔭高校は、根尾選手や藤原選手といった強打の面子が揃っています。彼らを相手に、どう立ち向かっていくか。

逆に、打線は少ないチャンスをモノにできるか。延長に入れば、確実に不利。接戦を守り抜く試合になることでしょう。

 

大阪桐蔭は、相手のミスにつけ込みたいところ。

四死球やエラーがない相手ではありませんから、ランナーが出塁した後に、どれだけ返せるかに注目です。

豊富な投手陣は、最後の自分の登板で全力を出し切れるか。

自チームの応援団も多くいるとは思いますが、インターネットを含む世間では、金足農業を応援している流れです。その中で堂々と、強者として試合に臨んでもらいたいですね。

100回大会も、明日でおしまい。

 

日大三の試合で見た、不快な光景

SNS で散見されました。

 

「たくさん選手のいる近江より、金足農業の方が凄いんだよ! 選手一人で投げているんだよ! だから近江負けろ!」

「各地から選手を集めている日大三なんかに負けるな!」

「巨人の応援歌を使っている金足農業なんか負けちまえ」

「田舎もんなんかに負けるな近江」

 

あ ほ く さ

 

一意見と言えば、そうなのでしょうが。それでもこれくらいなら可愛いもので、罵倒どころか中傷と取れる発言をする人たちもいます。

きっと金足農業 VS 大阪桐蔭でも、同じような発言があるでしょう。

そういった発言は謹んでいただきたい。

 

県立高校の全国大会出場にお金がかかるのはよくわかる

甲子園の場合、主催の朝日新聞から、監督と部長、選手20人分の金銭的援助はあるのですが、応援の選手や応援団の分はありません。
「学校からお金を出すべき」という意見もわかるのですが、県立高校だと出せる経費も限界がありますから、その金額が大きければ大きいほど、外部からの支援を募る必要があります。
仕方のないことなのです。

僕も公立高校に通っていたのですが、とある部活が時折、全国大会に出場していました。そのたびに、学校関係者に寄付金をお願いする旨の文書が届きます。
ですから、その気持ちはよくわかります。

公式サイトが落ちているので、キャプチャーされた画像を貼り付けておきます。

1口でも、大きな支援になります。気が向いたら是非。

 

付録

金足農業の始業式が、決勝戦が行われる明日に予定されていました。

決勝進出を受けて、23日に延期されたようですね。柔軟な素晴らしい対応だと思います。

 

あと、本当にどうでもいい好き嫌いの話なんですが、秋田の企業公式が壊れる風潮は嫌い。