厨学生日記

サブカルと創作、そして黒歴史、厨二病

ゲーム部プロジェクトを見て、VTuberの中の人と運営の在り方を考える

大好きだったんですよ、ゲーム部プロジェクト。実は激推しでした。ぶっちゃけRPGを作っていたくらいにはハマっていました。

推せるときに推さないと、いなくなってしまうかもしれないんですね。悲しいなあ。

それはともかく、今回の騒動に対する僕の所感をまとめます。

 

今回の騒動について

すでに多くの方が言及していると思いますが、改めて整理します。

 

ゲーム部プロジェクト(以下、ゲーム部)とは、株式会社アンリミテッドが運営するVTuber事業の名称です。所属しているのは夢咲楓、道明寺晴翔、桜樹みりあ、風見涼の4人。

同社の事業では他に「ここあMusic」の道明寺ここあ、「あおぎり高校ゲーム部」の音霊魂子と水菜月夏希がいます。

 

今回の問題が明るみに出たのは、ゲーム部4人の中の人と思われるTwitterアカウントから、スタッフからの暴言やいじめを受けている旨のツイートが発信されたからです。

特定個人のアカウントとツイートは載せませんが、調べると出てきます。

ゲーム部プロジェクトを名指ししているわけではありませんが、運営が対処に当たる数日前から内情を発信しておりました。また、これは僕個人の感想ですが、4人のアカウントから聞ける声はゲーム部プロジェクトの4人と酷似していましたので、信ぴょう性は高かった印象です。

 

労働基準監督署に相談、ゲーム部を辞めることまで考えていたそうです。

彼らの言い分の正当性は外部から確認できませんが、もしそのまま事実であれば問題です。真偽不明のまま、「ゲーム部 解散」と大炎上することになりました。

 

4月8日、運営から2回に分けて今回の騒動に関するコメントが出されます。

そして4月11日、運営による発表で本件は解決に向かうことになりました。ゲーム部プロジェクトは解散しないそうです。

全文はこちらから確認できます。

 

炎上後は沈黙を保っていた4人のTwitterアカウントですが、公式の発表があった後に4人とも示し合わせたようにツイートをしています。

運営、中の人と思われる4人からは明言されていませんが、本記事では彼らがゲーム部プロジェクトの4人の声優であるとして話を進めていきます。

 

本当にこれで解決するのだろうか

制作スタッフからのいじめ、過剰な労働が主な問題点です。待遇改善を求めるということは、おそらく金銭報酬もそれほど多くなかったのでしょう。

 

元々、内実は結構リークされていました。以下は真偽不明ですが、道明寺ここあの中の人と思われる方がリークした内容です。

 

・プレイヤーと中の人は違う

 ←これは初期の頃に、ポケモンの代役がDMでのやりとりをリークしていた。

 

・普段の動画はモデルが動いているところに声を当てている。

 ←VTuber事業では中の人の動きを反映させることが多い。

 

・時給1500円

 ←リーク情報ごとにブレがあるものの、この前後の数字が出ている。会社の求人では動画制作の時給が1000~1500円で出ていたらしい。事実ならどちらにしても安すぎる金額。

 

・事務所の住所が空き地

 

・当時17歳だった道明寺ここあの声優を東京に引っ越させる

 ←費用は会社が負担した模様。

 

 

 

ここからは私見になります。

 

正直に言うと、動画の制作方法やプレイヤーと声優が違うのは想像がついていました。加えて、Twitterの一部も別人が動かしていると見ています。これは運営上、仕方がないことですが。

道明寺晴翔のスプラトゥーンを除いて、プロ級の腕前を見せているのは別人だと思っています。パーティゲームや比較的難易度の低いホラーゲームなどは、声優にやらせているのかもしれませんね。

 

声優の年齢も、おそらくは低年齢なのではないかと思います。これは彼ら5人に限りません。金銭的な面と時間的な面から、VTuberにプロの声優を起用するのは難しいですから、(失礼な物言いになりますが)声優としてのキャリアが低い人、仕事を欲している人を起用したいと企業は考えるはずです。

 

ただ、待遇面がこれほどひどいとは思いませんでした。

VTuberの業界において、運営と声優のぶつかり合いは頻繁にありました。いわゆるベンチャー企業であるがゆえの、マネジメント能力の低さによるものです。

ゲーム部プロジェクトは、これまで運営元をうまく隠し続けていました。VTuberの業界で上位を走るキズナアイ氏やミライアカリ氏、電脳少女シロ氏の運営元や、にじさんじの運営「いちから」などが表に出てくる中で、ゲーム部プロジェクトはその名前だけが通っていたのです。

僕はこれを「うまくやっている」と思っていました。学校の部活という設定を守っているのだとばかり思っていました。

 

さて、今回のゲーム部プロジェクト運営の発表した文章を振り返ってみましょう。穿った見方をしてみましょうか。残念ながら疑わざるを得ないことをしていた、信用をなくしたのだから仕方ありませんね。

 

・事業ラインとは別に新たにマネジメントを専門に行う部署を設置する

 ←今までやっていなかったことが驚きだが、これもプロがやらないと意味がない。今まで口出ししていた人がマネジメントをやったところで、現状と変わりがない。

 

声優スタッフの担当マネージャーを配置

 ←これを口実に、監視役を付けたともとれる。上記と同じだが、今の運営の誰かがやるのでは、運営主導の状況は変わらないのでは。

 

やたらと気持ちのいい言葉を使っていますねー。

こうした問題が生じていたことは、個々人の問題ではなく会社全体としての体制、カルチャーに要因があると認識しており、これを是正しなければ、会社、すなわちゲーム部プロジェクトの今後の発展は決して望めないところであると反省しております。

 

「じゃあどうすればいいんだ」と言われれば、知らんがなと返すのですが。この辺とか不謹慎ながら笑ってしまいましたね。

当社としては、必ずや今回の問題を解決し、当社スタッフ全体でこれまで以上にすばらしいコンテンツを届けていく所存ですので、今後とも、ゲーム部プロジェクトをよろしくお願い申し上げます。

 

運営が別の企業に事業譲渡しない限りは、中の人は辞めたほうがいいと思っていました。

「あの時に辞めておけば良かった」と中の人が思うことのないように祈っております。

この笑顔の裏で泣いていたなんて思いたくなかった。

 

一番衝撃を受けたこと

今回の件で一番衝撃を受けたことは、運営に関わる人のことです。

これも個人名は避けますが、株式会社アンリミテッドの関係者に、僕が別の理由で追っていた、とある企業の関係者がいたからです。

ゲーム部プロジェクトの一件を調べていれば、おそらくTwitterの発言が引っかかったことでしょう。

その企業は、ぷよぷよ界隈における「マジカルストーン騒動」に関わっています。e-sportsでもひとつ。ちなみにそちらはスマブラ関連です。これらについてはご自身で検索していただきたいのですが、どちらにもRMTの問題が絡んでいます。

…………あれ、そういえばゲーム部でもぷよぷよとスマブラがピックアップされていたような。

 

ということで、ここからまた私見。

某氏はぷよぷよやスマブラなどのe-sports事業に関わりたいのではないかと推測されます。RMT事業をしてまで資金を調達していたのですから、どうしてもやりたいのでしょう。

そのために作られたのがゲーム部ではないか、と予想してみます。すると、ゲームをしない動画(演劇部と称される類)の方がウケている現状。これが気に食わなかったのではないかと。

 

VTuber全体に言えますが、これらの人気はキャラクターの人気商売です。たとえ「ゲーム部」を冠していても、プレイヤーの腕前が主体になることはありません。

だからこそ、キャラクター性を守ろうとした事業展開(と制作過程)は「従来のアニメコンテンツに則していて王道、かつVTuber業界としてはやや逆張り気味」であり、ファン心理が運営の意向とは真逆に作用します。

 

ゲーム動画の再生数がゲームをしない動画に負ける、つまりゲームプレイヤーよりも声優が勝っていると考えた。これは某氏にとって腹立たしいことで、声優に八つ当たりするようになった……のではないかと予想してみます。

どんな理由であれ、キャラクター商売であるのに声優を軽視したこと(おまけにVTuberなので替えが効かない。これは業界の流れを見ていれば容易にわかる)は経営者としても失敗です。また、暴言やいじめなどはもってのほかです。

 

例のツイートを見ると、ゲームを軽視しているようにもとれます。これは下に見ることで自尊心を満たしているのだと思います。声優に対して行っていることと同じです。

e-sports事業に光明を見出していて、目的がなんであれ『ゲーム部プロジェクト』を立ち上げてVTuber業界最大手にするくらいの実力はあるにもかかわらず、「法さえ守れば倫理など知った事ではない」と言わんばかりの言動をとる。非常に残念です。

 

この方はまだ関わっているのでしょうか。

もし関わっているのなら、本当にそれで解決するのでしょうかね。

 

 ファンは目をそらしてきた「VTuberの中の人」と向き合わなければならない

先に述べたとおり、今回の解決策にはその実効性に疑問が残ります。

あえて希望を見出すとすれば、取引先の目が厳しくなるでしょうが……。

それでも、この会社の傾向からすれば、今度の契約はより声優を縛るものになりかねないのではないかと思ってしまいます。

 

こちらの記事で述べたのですが、VTuberの声優は時間の融通が利きやすい学生、またはプロとして食べていけるに及ばなかった方がなりやすいと思われます。

つまりどういうことかと言うと、声優としての事務所に属していないぶん、守られにくいのです。

おまけにVTuberの多くが声優を公表していません。ファンの目が行き届くこともなく、中の人としてはVTuberの運営しか頼れるものがないのです。本来であれば。

 

だからこそ、アズマリム氏や牡丹きぃ氏はファンに助けを求めた。

彼女たちはキャラクターとして助けを求めたのです。だからファンは、声優(中の人)の在り方まで考えが及ばなかった。結果として彼女たちは助かったものの、個別の問題のままで終わった。業界自体は病巣を抱えたままだった。

 

ゲーム部プロジェクトの4人は中の人としてファンに助けを求めた。

これでもまだVTuberの中の人から目をそらすのであれば、次はどうなるのでしょうか。

 

 

 

余談

と、ここで終われば綺麗でした。もう少しだけ続くんじゃ。

 

先ほどの考察で述べた、「ゲームプレイがキャラクター性に負けた」というところだけを見れば、実は僕も悔しいです。

というのも、日本でe-sportsが流行らない理由であるところの「日本のファンはゲームやプレイ(腕前)を見ているのではなく、プレイヤー(タレント性)を見ている。彼らにとって最も重要なのは、誰がプレイしているかだ」というのを改めて見せつけられたわけですからね。

無論、だからといって某氏の言動を許せるわけもありませんが。

 

もうひとつ。

これはまた別の機会にしっかり述べたいのですが、プロとして食べていくに至らない声優の人たちの立場は非常に冷遇されています。趣味である人たちも含めて、同人声優とでも言えばわかりやすいですかね、とにかくそんな人たちの立場の話です。

業界が閉鎖的なので、今まではそれほど注目もされていませんでした。むしろニコニコ周辺では悪い意味で取り扱われていましたね。

 

僕もほんの少しだけ身を置いた立場ですからわかりますが、あれは間違いなく技術職です。しかし、どうしてもプログラマーなどと比べて、その専門性を軽視されてしまいがちです。「声なんて誰でも出せる」「探せばいくらでもいる」と言った具合に。

絵師がないがしろにされて炎上しているのを見た経験はありますか? あれに似ています。表沙汰になりにくくて、皆我慢してしまうだけです。

 

今回の件で少しでも「中の人」のことを労わりたいと思った方。是非とも「中の人」のファンになってください。

今やプロでさえ、声優の起用は「現場の認める実力」よりも「集客できるだけの人気」を重視する傾向があります。

同人声優を起用する側はそんな社会を見て生きていますから、違和感を持たずに人気のない声優を安く見積もります。

 

また、業界が閉鎖的であるゆえに、同人声優のファンは同人声優であることも多いです。

ですから、お願いです。

あなたの好きなキャラクターの「中の人」のファンに、できれば混同することなく、なってあげてください。