『コードギアス 復活のルルーシュ』を公開初日に観てきました。
これから感想を述べていきたいと思います。映画本編に関するネタバレが山ほどありますので、未視聴の方はご注意ください。
なぜ観に行ったのか
2018年始に『コードギアス』シリーズにハマり、『反逆のルルーシュ』『R2』はもちろん、『亡国のアキト』も視聴しました。
これはもう『復活』も観るしかあるまいと。劇場版は『興道』までしか観ていないけど、行くしかあるまいと。
その『興道』はAbemaTVで観たのですが、『復活』公開までに全部放送しないのは方針としてどうなのか……?
『反逆のルルーシュ』はアニメで充分完成されているので、その続編には不安がありました。それでも気になります。期待してしまいます。
そんな思いから観に行ったのですが、どちらかといえば不安の方が的中しました。
なので「『復活のルルーシュ』最高! 私はこれを待っていた!」という人は、あまりご覧にならない方がいいかもしれません。
とても簡単なあらすじ
光和2年。
世界は再編成された超合集国を中心にまとまり、平和な日々を謳歌していた。
しかし、平和は突如として終わりを告げる。仮面の男・ゼロとして、ナナリーの難民キャンプ慰問に同行したスザクが謎のナイトメアフレームに敗れ、
2人は連れ去られてしまった。
シュナイゼルの密命を受け、戦士の国・ジルクスタン王国に潜入したカレン、ロイド、咲世子はそこで、謎のギアスユーザーに襲われる。
そして、その場には襲撃者に“元嚮主様”と呼ばれる、C.C.が居た。かつて神聖ブリタニア帝国の大軍すらも打ち破った無敵の王国を舞台に、人々が描く願いは、希望か絶望か。
果たして、ギアスのことを知るジルクスタン王宮の面々と、C.C.の思惑とは——。
謎のナイトメアフレームにはジルクスタンの国王・シャリオが乗っていました。
C.C.はルルーシュを連れて、Cの世界へと繋がる門を探していました。V.V.から奪い取ったシャルルのコードを引き継いでいるので、ルルーシュは不死になっていました。ただし、魂をC.C.の世界に置いてきたので、正常な状態ではありません。
合流した5名は、ジルクスタンの監獄に潜入。門があるだけでなく、スザクも幽閉されています。
ルルーシュとC.C.はCの世界に。他3名は捕まってしまいました。が、復活したルルーシュのギアスと戦略により、監獄を制圧。スザクとの再会を経て、監獄を囲んでいるジルクスタンの軍を倒します。
コーネリアたちと合流し、ナナリー奪還作戦を決行。シャリオの姉・シャムナを急襲することに成功。しかし、シャムナのギアスで数時間前まで戻されてしまいます。
シャムナの「予言」によって、ルルーシュたちは窮地に追い詰められますが、ギアスの効かないC.C.を基点とした作戦を展開。シャムナを無効化し、ナナリーの奪還を完了させました。
そして、ルルーシュはC.C.と共に旅に出ることを選び、ルルーシュの物語はエンディングを迎えました。
新衣装がいい感じ。ゼロの仮面も新しくて素晴らしいアレンジ。
感想
続編である点とシャーリーについて
『復活』発表当初では、アニメ版の続編であると言われていました。ところが、制作が進んでいくに連れて、アニメ版と劇場版のどちらであると明言を避けるようになりました。
これ自体、ちょっと卑怯な方法だと思いますが……それは別にいいです。うん、販売戦略としては至極当然のことだ。
結論から言って、今作は劇場版の続編です。理由は、劇中にシャーリーが登場するから。アニメ版では途中で死亡しましたが、劇場版は大幅な改変の末に生存しています。
コードギアスの女性キャラクターの中では、僕のもっとも好みであるシャーリー。彼女の登場はとても嬉しかったです。
だからこそ、あえて言うぞ。
シャーリー、いなくても良かったのでは?
今作、シャーリーの必要性が特にありません。抜け殻になったルルーシュを回収する役回りも、別人にだって出来たことでしょう。それすら描写されることなく説明のみで、それ以降の出番はジルクスタンの状況を憂うくらいのもの。
「せっかくの新作だから」「いないよりもいたほうがいいだろう」「ファンサービスだ」と考えてのことでしょうが、うーん……。
シャーリーに関しては、劇場版で生き残ったのを嬉しく思う反面、アニメ版の方が輝いているように感じていたので……。
これも販売戦略ですかね。
劇場版『コードギアス 反逆のルルーシュ』の感想はこちら↓
数発殴るだけで和解するスザクとルルーシュ
ルルーシュの復活自体もそうなのですが、「ゼロレクイエムは茶番でした」と言われているようなもので、僕はあまり納得できませんでした。
あまつさえ「君が生きていてよかった」とのたまうのですから、何なのだろうなと。C.C.の我儘で復活したというのもあるからなのでしょうか? それにしたって、あまりにもあっさりしていますね。
逆に意外だったのはコーネリアです。彼女はルルーシュの真意を知ることがなかったんですね。ゼロレクイエムの際に号令をかけていましたから、彼女も知っていて行動しているものだと思っていました。
もし知っていれば、劇中のような敵対心を見せることはなかったと思います。
そして知らないからこそ、あの態度が普通だと思うんですけどね。
Cの世界に関連する部分は相変わらずよくわからない
コードギアス作品が嫌われるとしたら、ギアスやCの世界に関連する部分がオカルトであるということです。
劇中で詳しい説明があるわけじゃありませんから、設定資料集などを読まないと理解できません。別にそれでいいんですが。
ただ、シャルルやマリアンヌを出すのなら、もう少し見せ場が欲しかったですね。
それでも、ルルーシュの不死に関する部分は明快な理由で良かったですね。前作の中だけで推測できる話ですから、理屈としては受け入れやすいと思います。
コードギアスのお約束をふんだんに取り入れた作品
記憶を失ったルルーシュが復活するところに始まり、ギアスで死を命じたり、部下にしたり、限られた戦力で敵と渡り合ったり……。アニメや劇場版でも多く見られたシーンが盛りだくさんでした。
相変わらず戦闘シーンは見応えがあります。よく動く!
ナイトメアでの戦いだけでなく、肉弾戦も大幅に増加している印象です。特に前作終盤は火力がインフレを起こしていましたから、改めて肉弾戦や銃撃戦を繰り広げているシーンを見られたのはよかったです。
前作以上に篠崎咲世子が大活躍でしたね。彼女、前作では後半に連れて出番が増えていたのに、肉弾戦自体は減っていたので、活躍の場が少ないのが残念でしたから……。
ルルーシュが追い詰められて以降の展開がやや弱い
上映時間が限られているので、全体的に説明が足りない部分があります。
特にジルクスタン周りはもう少し掘り下げて欲しかったところ。2部作にすれば、充分な時間が取れたかもしれませんね。……もっとも、前編を見て後編を見に行きたくなるかはわかりませんが。
復活したルルーシュが「変わった」と劇中でも言われていますが、シャムナのギアスによって追い詰められたときに、あのルルーシュが諦めかけるのは少し都合のいい展開じゃないでしょうか。
C.C.が奮起を促すために、もっと言えばエンディングに繋げるために、ルルーシュを諦めかけさせたのではないかと邪推してしまいます。
また、シャムナのギアスを打ち破る手段もやや強引かと。C.C.にギアスが効かないのはあらかじめわかっていましたが、今回のギアスが「効かない」の定義がよくわかりません。時間逆行による記憶の消失を防げるのであれば、シャムナがそれを使う『予言』の時に気付くはずです。たとえ効果範囲に制限があって、今作でナイトメアに騎乗した後に行われたのが最初の経験だったとしても、その1回でわかることでしょう。
……どうもよくわからない。
元々、そこまで緻密な作品でもないですから、仕方ないんですかね?
C.C.のための物語
主人公はルルーシュですが、報われるのはC.C.でしたね。
ルルーシュは「L.L.」を名乗って、C.C.と共に行くことを決めます。
その際に、C.C.は嬉しそうな顔を浮かべていました。どうやら恋が成就したとのことです。ルルーシュが「L.L.を名乗る」と言ったのは、プロポーズらしいです。
え?
そうですか。
…………うーん。
今までのは恋愛感情だったの? 契約関係じゃなくて?
そうですか……。
みたいな感じになりましたね。別にルルーシュが誰と恋愛関係になるとかはどうでもいいんですが、C.C.とはもっとプラトニックな関係だと思っていました。
全体的な評価として
面白かったです。
ただ、アニメか劇場版を見た人でないと、わけがわからないでしょう。別に初見の方を対象にしていないでしょうから、それはいいんです。
……ちょっと期待し過ぎていたかな。
ボーナスステージ、クリア後の世界みたいなものですかね。
なくても良かった、という気はしません。
それでも見に行って良かったです。