厨学生日記

サブカルと創作、そして黒歴史、厨二病

漫画『失踪日記』『失踪日記2』感想

先日、漫画家の吾妻ひでお先生が亡くなりました。

食道癌だと伺ったとき、非常に不謹慎ながら、自殺でなかったことに驚きました。

闘病生活はまた辛かったでしょう。ご冥福をお祈り申し上げます。

 

実のところ、吾妻さんの作品はほとんど存じ上げません。

世代がまったく違うので、僕が初めて知ったのは『失踪日記』でした。

正直子供が読む内容ではないのですが、当時はホームレスの体験記が物珍しくて読んでいた記憶があります。

 

 

『失踪日記』

あらすじ

『月刊まんが王』や『週刊少年チャンピオン』で連載した後、マイナー誌で活躍された吾妻さんですが、低迷期に入ってから自殺未遂や失踪事件を起こしています。

そんなホームレス時代から始まるのが『失踪日記』。季節は冬、過酷なホームレス生活が描かれています。廃棄処分のものや野菜を盗むのは当たり前、ゴミ漁りも辞さない……。

 

警察に職務質問されて、家に連れ戻される形でホームレス生活は一旦幕を閉じます。妻から捜索願が出されていました。

しかし、漫画家生活もつかの間、再びホームレス生活に舞い戻ってしまいます。

 

縁あって配管工になるものの、あまり良い環境ではありません。貸し出されていた自転車が盗難車だったことから、また警察のお世話に。

結局退職し、やはり妻の捜索願から家に連れ戻されました。

 

疾走する以前から酒におぼれていた吾妻さんは、アルコール依存症になっていきます。

幻覚を見て、暴れ、倒れ……気が付くと入院。

病院生活の途中で漫画は終わりを迎えます。

失踪日記

 

感想

先述の通り、僕はホームレス生活に惹かれて(失礼)この漫画を読んでいました。

大人になってから読み返してみると、コミカルに描かれているだけで、実情は凄まじく荒れていたのだろうなと想像できます。ちょっとワイルドなキャンプくらいの感覚に見ていたあの頃が懐かしい。

言い回しが文学的で、なるほどSFやナンセンスを得意としているのも頷けました。もしも僕が当時を生きていたら、吾妻さんの大手雑誌に掲載されている作品を見てファンになっていたかもしれません。

 

配管工時代の話は、今になって多少理解ができるようになりました。世の中には悪い大人がいるものだなあ。

アルコール依存症の話の感想はまた後ほど。

 

『失踪日記2 アル中病棟』

あらすじ

アルコール依存症になって、精神病院へ入った吾妻さん。

個性的なアル中患者仲間に囲まれながら、病院生活の苦労が描かれています。

プログラムやミーティングを繰り返し、各々が様々な都合で退院と入院を繰り返し、やがて吾妻さんも退院するのでした。

失踪日記2 アル中病棟

 

感想

あらすじがさっぱりとしてしまいましたが、ボリューム自体は『失踪日記』よりも多いです。題名こそ『2』を冠していますが、別に失踪していません。

全編を通してアルコール中毒を治療する過程になっていますから、子供の頃の自分はまったく読みませんでした。今読むと、とても丁寧な描写と説明が面白いのですが。

『失踪日記』よりも絵が細かくなっていて、机を離れていた期間を感じさせないですね。

肝心の内容ですが、「世の中にはいろいろな人がいるなあ」くらいで留めておきます。読めば衝撃を受ける。

満足度はやはり『失踪日記』に及ばず。ただ、お酒には気を付けようと改めて思いました。