随分前の話になりますが、友人に連れられて映画『ジョーカー』を観に行きました。
アナベルとの二択だったので、それよりは気が楽だと行きましたが、そもそも断る選択を取ればホラー系にいかなくても済んだのでは? あれ?
超簡単なあらすじと感想① 不幸な道化師
荒廃したゴッサム・シティに住むアーサーは、母親と貧しく暮らす道化師。
アーサーは急に笑い出す発作持ち。母親は病人で、30年前に仕えていた大富豪のトーマスに助けを求めていた。
コメディアンを目指して細々と生活を続けていたアーサーだが、街の福祉施設の閉鎖でカウンセリングと薬を打ち切られ、仕事中に若者たちから暴行を受ける……と、不幸続き。
挙句の果てには、同僚のランドルから護身用に受け取った拳銃を仕事先の病院で落とし、事務所から解雇通告を受ける始末。ランドルは自身の関与を否定し、アーサーは裏切られてしまう。
見た目はもちろん、発作のせいで奇妙な目を向けてしまう。それにしたって、アーサーに対する周りの扱いは本当に酷い。不幸が重なれば重なるほど、悲壮感は高まっていく。
何かが違えば、ここまで不幸にならなかっただろう。発作を持っていなければ、もし母がいなければ、街が豊かであれば、拳銃を受け取っていなければ……。
ただ、夢だけを心の支えに生きるのは、とても難しい。
超簡単なあらすじと感想② 我慢の限界と追い打ち
道化師の姿のまま、電車に揺られるアーサー。女性が3人の男に絡まれている現場に出くわし、発作で笑いだしてしまう。男たちはアーサーをからかい、袋叩きにする。
アーサーは拳銃で3人を殺害。高揚感に満ち溢れて人が変わったアーサーは、同じアパートに住むソフィーにキスをして口説き落とし、自分の出演するショーに誘う。
ショーは発作で失敗。しかし、その様を見た人気司会者のマレーが、アーサーを自分の番組に出演するように依頼する。
その頃、アーサーは母親の手紙に書かれていた「自らがトーマスの息子」かどうかを調べていた。結果は、アーサーと母親に血縁関係はなく養子であり、母親は精神疾患だった。それどころか、昔の母親の交際相手の虐待によって、アーサーは脳に損傷を負っていた。
追い詰められていたアーサーが突発的に人を殺す。我慢の連続だったアーサーにとって、反撃は蜜の味だったに違いない。
しかし、追い打ちをかけるような母親と自分の秘密が明らかに。調べる過程で、あらゆる人に否定的な態度を取られるのだから、アーサーのストレスはとんでもないでしょう。
一度人を殺したアーサーがどのような行動をとるのか、想像に難くない。
超簡単なあらすじと感想③ ジョーカーの誕生
入院していた母親を殺し、心の支えになっていたソフィーの元へ。しかしソフィーはおびえるばかり。それもそのはず、ソフィーとの関係は全てアーサーの妄想だった。
アーサーが殺害した男たちは富裕層の会社員。荒廃したゴッサム・シティの人々は、道化師の行為を称賛し、デモを起こしている。
アーサーの部屋へ、元同僚のランドルとゲイリーが訪れる。アーサーは自分を裏切ったランドルを惨殺するも、自分に優しかったゲイリーを見逃した。
警察から逃げながら、マレーの番組へ。彼はジョーカーを名乗り、生放送中に男たちの殺害を告白。自分を笑い者にしようとしたマレーを殺害した。
暴徒と化したゴッサム・シティの人々から逃れるべく、大富豪トーマスとその妻マーサ、息子ブルース(後のバットマン)は奔走するも、トーマスとマーサが射殺されてしまう。
パトカーで連行されるジョーカーに救急車が激突。ピエロの仮面をかぶった暴徒に英雄として囲まれる瀕死のジョーカー。燃える街……。
時は流れて、ジョーカーは病院でカウンセリングを受けていた。発作で笑い出すと、血にまみれながらダンスを踊り、部屋を出ていった。
ソフィーとの関係は展開が急だと思ったけど、まさか全て妄想だったとは。劇中では所々でアーサーを慰めていました。
人に対して不義理な行動をとると、どんな形で返ってくるかわからない。特にゲイリーから見れば、ランドルは何の脈絡もなく殺されたと感じたはず。そりゃ恐怖するわ。
マレーの殺害は社会への反逆を表しているのか。世間(暴徒はともかく)はジョーカーを異端と切って捨てるだろうけれど、劇場に足を運んだ客はアーサーとともに過ごしているから、彼の意図がかろうじてわかる。
求められている反逆の象徴として、ピエロは用いられた。ジョーカーとなったアーサーは、もうコメディアンになれそうもない。
まとめ
子供に悪影響を与えると噂されていましたが、言うほどでもなかったと思う。ただ、見せたいとも思いませんね。
「怖い」のベクトルが少し違って、よくあるホラーではなくサイコな雰囲気でした。
そこまで面白いとは思いませんでしたが、お金を払って見に来た価値はあります。きっとバットマンを詳しく知っていれば、もう少し楽しめたんでしょうね。
人に優しく生きよう。