厨学生日記

黄金色に輝く🍆を探して

「シャイニング・ハーツ」のプレイ感想 パンの力は世界を救う……?

伝説のパン焼きゲーと名高い「シャイニング・ハーツ」をプレイしました。

セガのゲームではそれなりに歴史のあるシャイニングシリーズ。その中でも、なぜこのゲームを選んだのか……。まずは前段です。

前書き

PSP を手に入れて、圧倒的な画質に浮かれきっていた僕でした。モンスターハンター2nd G を買ってプレイしていたのです。

別のゲームを買いたいと思ってゲーム屋に行き、目についたのがこの作品。エアリィの太ももに目を奪われて購入を決めました。

 

シャイニング・ハーツ タペストリー B エアリィ

ミニスカシスターって。ツボをついてくるじゃあないか……

 

とはいっても、当時それほどお金を持っていません。中古で安くなった時を見計らって買いました。生まれて初めて、最初で最後のジャケ買いをした作品です。

子供の頃はゲームに注ぎこめる時間がいくらでもあったので、ひたすらやり続けました。

今考えると、よくその情熱が続いたものです。当時の僕は、あまりゲームの良し悪しで物事を判断していなかったような気がします。少ない資金で買ったものですし、やりきらないともったいないですからね。

 

概要

ジャンル:RPG

機種  :PSP

発売元 :セガ

開発元 :スタジオ最前線

発売日 :2010年12月16日

定価  :パッケージ版 6270円

     ダウンロード版 5600円

廉価版 :2011年12月22日 2500円

 

キャラクターデザインはTony氏。

美麗なイラストで作品を彩ります。

 

舞台は色々な種族が暮らすウィンダリア島。ここを中心に、船で様々な島を移動していきます。

主人公含め様々な人物が島に流れ着いた時に記憶を失っており、それでも平穏に過ごしていました。

そこに記憶と感情を失ったカグヤという少女が流れ着き、物語が進んでいきます。

 

戦闘システムは一般的な RPG に習ってターン制のコマンドバトルです。

 

システムとして「ココロ」があります。これは赤・青・緑・黄の4種類があり、ハートで表されます。この総取得量が物語の進む基準となっています。

取得方法はシナリオ中や戦闘中の行動、選択肢など。逆に、戦闘時に必殺技のコストとして使われたり、パンを焼くのに使われたりと、必要になる場面が多くあります。

 

評価点

パンシステムに関するこだわり

本作のシナリオを含め、大きな影響力を持つパンシステムですが、これが非常に作り込まれています。

様々な材料を集めてパンを作るのですが、その種類が非常に多いです。組み合わせによって生まれる能力や特徴が多岐に渡ります。

また、焦げたパンを持っていると、キャラクターに近づいただけで「嫌な臭いがする」と言われてココロが下がったり、出来のいいパンを持っていると「いいにおい!」とココロが上がったりと、パンに関してはこだわりが感じられます。

キャラクターにパンをあげる機会も多く、パン作りなくしてこのゲームは全く成り立ちません。

 

美麗なイラストと世界観に合った音楽、声優陣の豪華さ

先述の通り、イラストの担当はTony氏です。美少女キャラクターを中心に、エルフや獣人に定評のある方ですので、まさに世界観に合った絵だと思います。

もっとも、前作と前々作、次作、次々作も氏が担当されているので、近年のシャイニングシリーズはそうと決まっているのでしょうね。

 

「鳥の詩」などの名曲で知られるLia氏が歌う主題歌「心に届く詩」と挿入歌「WHITE and SHADOW〜夢幻の輪舞〜」は必聴です。

菊田裕樹氏が送る音楽は聴きごたえがあります。お金を払ってサウンドトラックを買う価値があると感じられるレベルです。

 

第一線で活躍されている声優さんが多く起用されています。出番の少ないキャラクターでも、有名な方が声を当てるほど。

フルボイスではありませんが、メインシナリオやサブシナリオでは声が入っています。

ただし主人公が積極的に会話する場面は多くなく、選択肢が出てくる場面でも一切声はありません。戦闘の時だけです。

 

A3 クリアデスクマット A シャイニング・ハーツ

ゲームのOPは必見。素晴らしいクオリティである。

 

問題点

テンポの悪さ

ロード時間が長く、箇所も多いのが最大の問題点でしょう。

戦闘に入る度に数秒のロード、マップ切り替えの度に数秒のロード……これが結構ストレスです。

主人公の移動速度が早いわけでもないのに、ダッシュを使うと高確率で転びます。これはおそらく処理落ちを誤魔化すために作られたシステムかと思われます。

 

戦闘のテンポも非常に悪く、キャラクターのモーションが非常に多いです。

主人公との好感度が一定以上になると合体攻撃が使えますが、演出が長くスキップもできないという厄介さ。おまけに発生頻度が高く、たびたび合体攻撃をキャンセルしなければならないのが面倒です。

戦闘終了後の入手アイテムが一個ずつ表示される仕組みのために、一回の戦闘で多くの材料が手に入る今作では、勝利後も時間を取られます。

 

仲間キャラクターについて

大きな問題点としてもう一つ、仲間キャラクターについてが挙げられます。

これはシナリオと大きく関わる部分でもあるのですが、ストーリーにあまり関わりのないキャラクターが仲間になるにもかかわらず、 CMでメインキャラのように宣伝していた魅力的なキャラクターがほとんど仲間にならないのです。

 

最初にパートナーを3人の中から選ぶのですが、ただ見た目が違うだけで、セリフもイベントも担当の声優さんも全て一緒です。

それならそもそも選ばせる意味があるのだろうかと。単純に見た目と設定、性能の違いだけですから、もう少し幅を利かせられたのではないかと思います。

アニメや次作の「シャイニング・ブレイド」では、性格や声優さんに明確な違いが生まれただけに、手抜き感が否めません。

 

人数が非常に多いにもかかわらず、キャラクター性能の幅は広くなく、上位互換が成立してしまっています。つまり「AがいればBがいらない」となってしまうわけです。

おまけに、強制的にパーティーに加えるイベントが多いわけでもないので、一部のキャラクターは本当に存在意義がありません。EDさえ設定されていない始末。

 

総評

仲間キャラクター関係以外のシナリオ自体は可もなく不可もなく、王道の RPG といった展開です。

魅力的なキャラクターが多かっただけに、ゲームバランスとスペックが大きな足かせになってしまいました。システムや物語の導入が良かっただけにもったいありません。序盤は楽しめても、中盤に差し掛かればだんだんと飽きが出てしまうでしょう。

少なくとも土台ができていれば、十分楽しめるゲームだったと思います。

イラストや声優の力だけに頼らず、ゲームそのものが面白くなるように調整していくことが大切だと気付かされる作品でした。

 

付録

Tony氏の作品ということもあって、フィギュアや画集はたくさん出ていますね。

 

アニメも見ましたが、特筆すべき点がありません。普通です。強いて言えば、EDの作画がもう少しどうにかなってほしかった。

 

理由を説明しづらいんですが、子供の頃にこの作品をやって、Tony氏について調べたのがトラウマになっています。エロゲ(ギャルゲ)が苦手になった一因なんですよね。誰も悪くないんだけど。

 

僕の退職後の夢がパン屋になりました。