指の皮が剥ける勢いで遊び倒しております。
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIALに登場する追加ファイター「勇者(HERO)」の必殺技を原作と比較してみます。
最初に記載しているのは消費MPです。スマブラと原作を載せますが、ナンバリングタイトルによっては異なる場合があります。特記がない場合、オンラインゲームで環境の変化が激しいⅩ、モンスターズシリーズなどの外伝作品を含めません。
便宜上、Ⅺ主人公をイレブン、Ⅲ主人公をアルス、Ⅳ主人公をソロ、Ⅷ主人公をエイトと記載します。文中で「勇者」と表記する際は、彼らを表します。
必殺技
メラ
スマブラ:6
原作:2
全呪文中、最弱と言える呪文。DQ3より登場。
作品によっては、エフェクト次第で曲線を描いたり、重力の影響を受けて垂れたりするが、スマブラでは直進する。
シリーズでは2で統一されている消費MPが、スマブラでは6。2のままだと牽制として使い勝手が良すぎると判断されたのだろう。
原作ではエイトだけがメラ系呪文を覚えられない。
メラミ
スマブラ:16
原作:4(Ⅳ~Ⅷ)、6(Ⅲ、Ⅸ)、8(Ⅺ)
原作の中盤で多用される呪文。ダメージ量がメラの7倍ほどなのでコスパが良い。
スマブラでは消費MPが少々高いものの、直進距離が長く、やはり使い勝手は良い。
アルスとソロはメラミ以降のメラ系呪文を覚えられない。イレブンの特性と言える。
メラゾーマ
スマブラ:36
原作:10(Ⅳ~Ⅷ)、12(Ⅲ)、18(Ⅸ)、21(Ⅺ)
原作では着弾時に火柱があがる。スマブラでは複数ヒット。
Ⅸ以降、上位呪文にメラガイアーが登場するが不採用。メラゾーマ自体はイレブンが習得できる。
横必殺技
デイン
スマブラ:8
原作:8
ナンバリングタイトルではⅩで初登場し、一部の敵キャラクターが使う。プレイヤーとしてはⅪで使用可能に。
元々はモンスターズシリーズでの登場で、ライデイン自体はⅢから存在していた。新しく初級呪文として追加された形になる。
ライデイン
スマブラ:18
原作:6(Ⅴ~Ⅷ)、8(Ⅲ)、15(Ⅳ)、22(Ⅺ)
とにかく設定が安定しないデイン系の呪文。攻撃範囲もしっちゃかめっちゃか。
勇者(だいたい主人公)御用達だが、人によっては勇者であろうとなかろうと、覚えられたり覚えられなかったりする。
ギガデイン
スマブラ:42
原作:15(Ⅳ~Ⅶ)、20(Ⅷ)、30(Ⅲ)、48(Ⅺ)
さらに上級呪文にジゴデイン、ミナデインが控えているが、前者は知名度の低さ、ミナデインは仕様の都合上で不採用だと思われる。
……ミナデインは最後のきりふだでチャンスがあったのに。
上必殺技
バギ
スマブラ:5
原作:2(Ⅳ~Ⅷ)、3(Ⅸ)、4(Ⅱ、Ⅲ)、5(Ⅺ)
主に僧侶系の職業が覚える呪文。勇者たちはバギ系呪文を覚えられない。
勇 者 は 覚 え ら れ な い 。
復帰技に使えそうな呪文がこれくらいしかなかったのだろう。
バギマ
スマブラ:9
原作:4(Ⅳ~Ⅷ)6(Ⅲ)、8(Ⅸ)、10(Ⅺ)
バギ系呪文のエフェクトは、バギが小さな竜巻の横移動、バギクロスが大きな竜巻であり、バギマはその中間の竜巻の横移動になる。
スマブラでは、バギやバギクロスよりも横移動の幅を広く設定されているが、関係があるのかは不明。
バギクロス
スマブラ:22
原作:8(Ⅳ~Ⅷ)、9(Ⅲ)、20(Ⅺ)、26(Ⅸ)
直接的に唱えられるわけではないが、ⅢやⅪに登場する「おうじゃのけん」を道具として使用することで、バギクロスと同等の効果を与えられる。
上位呪文にバギムーチョがある。スマブラでは登場しないヒャド系呪文の最上級であるマヒャデドスと対を成すネーミングセンス。当然ながら不採用。
下必殺技(コマンド)
イオ
スマブラ:9
原作:5(Ⅲ~Ⅸ)、6(Ⅺ)
大抵は「ちいさなばくはつ」と説明されるが、原作では全体攻撃である。
ある意味、スマブラになって初めて、説明に沿った攻撃と言えるのかもしれない。
イレブンしか覚えられない。
イオナズン
スマブラ:37
原作:8(Ⅱ)、15(Ⅳ~Ⅷ)、18(Ⅲ)、24(Ⅺ)、28(Ⅸ)
イオとの中間にあるイオラ、最上級呪文のイオグランデは不採用。
勇者たちは覚えることができず、イオラの使い手であるアルスは涙目であろう。
皆も「特技はイオナズンです」ごっこをやろうね。その知名度故か?
ギラ
スマブラ:8
原作:2(Ⅰ、Ⅱ)、3(Ⅺ)4(Ⅲ~Ⅷ)
初代から登場する攻撃呪文。デイン系以上に設定の変更が多い。
なんとスマブラに登場する勇者全員が覚えられる。原作でも状況に応じて使い分けるべき呪文なので、コマンドで登場する意義はあるだろう。
ベギラマ
スマブラ:20
原作:4(Ⅱ)、5(Ⅰ)、6(Ⅲ~Ⅷ)、7(Ⅺ)
原作では、主人公たちよりも敵が使うと厄介な呪文であると印象付けられやすい。果たして、スマブラでは積極的に使用されるのだろうか……。
ちなみに勇者たちの中でソロのみ覚えられない。上級のベギラゴン、ギラグレイドは不採用である。
ザキ
スマブラ:10
原作:4(Ⅳ~Ⅷ)、5(Ⅸ、Ⅺ)、7(Ⅲ)
スマブラでは命中に失敗しても少しだけダメージが入るが、原作にはない。また、スマブラでは相手が撃墜しやすいほど成功率が上がるが、原作ではHPの増減による影響はない。これは後述のザラキも同様である。
ザラキ
スマブラ:30
原作:4(Ⅱ)、7(Ⅲ~Ⅷ)、10(Ⅸ、Ⅺ)
ブリザードやクリフトなど、原作ではネタに事欠かない即死呪文。
勇者はザキ系の呪文を覚えられないため、即死ギミックと知名度を考えての採用と思われる。上位呪文のザラキ―マは不採用。
メガンテ
スマブラ:1
原作:1
自己犠牲呪文で、再現度は非常に高いと言える。
当然ながら、ストック1の状態で使うと敗北になる。ストックに余裕のあるときやタイム制のときに、撃墜率が高い場合は選択肢となるだろう。原作よりも使い勝手はいいかもしれない。
原作ではエイトのみが習得する。
マダンテ
スマブラ:残りMP全て
原作:残りMP全て
作品によっては特技扱いだったり、最低必要MPが設定されていたり、ダメージ量が消費MPの2倍だったり3倍だったりと仕様が不安定な呪文。
ダメージの比例は原作通りだが、攻撃範囲の比例はスマブラ特有。原作では超ド派手な爆発と共に2ダメージを与えることも可能。
究極呪文であり、勇者たちは覚えられない。
ラリホー
スマブラ:16
原作:2(Ⅰ、Ⅱ)、3(Ⅲ~Ⅸ、Ⅺ)
原作同様の睡眠付与。スマブラでは敵が近ければ近いほどよく眠る仕様になった。
消費MPに大きな差があるが、RPGの睡眠とスマブラの睡眠では天と地ほどの差があるので、かなり配慮の効いた措置だろう。
アルスとイレブンが習得できる。上級呪文のラリホーマは不採用。
ホイミ
スマブラ:7
原作:2(Ⅵ~Ⅸ)、3(Ⅱ~Ⅴ、Ⅺ)4(Ⅰ)
HP回復の初級呪文。回復呪文の中では唯一の採用である。
スマブラでは撃墜率、HPにかかわらず、11の回復となる。原作の回復を30として、撃墜率100%を最大HPと考えた場合、原作基準での勇者の最大HPは約273となる。もちろん撃墜率自体は100%を超えられるが、目安として考えてもそれなりのレベルで参戦していると言える。
もちろん、勇者たちは全員習得できる。
バイキルト
スマブラ:16
原作:6(Ⅲ~Ⅷ)、8(Ⅸ、Ⅺ)
与えるダメージを倍にしたり、攻撃力を倍にしたり、攻撃力を2段階上昇させたりと、シリーズによって効果が異なる呪文。さすがにスマブラでは若干パワーアップする程度にとどめられている。下級呪文のバイシオンは不採用。
一部では会心の一撃が出なくなるが、スマブラでは関係ない模様。
原作では補助呪文を得意とするキャラクターが覚えるため、勇者たちは覚えられない。
マホカンタ
スマブラ:14
原作:4(Ⅳ~Ⅸ)、6(Ⅺ)、8(Ⅲ)
原作では呪文を反射するが、スマブラでは飛び道具を反射する。フランクリンバッヂを装備している感覚だと思えばいい。
下必殺技の中では効果を実感しやすく、確実に相手の行動を制限できる。
バイキルトと同様、勇者たちは覚えられない。
アストロン
スマブラ:6
原作:2(Ⅳ~Ⅶ)、6(Ⅲ)、8(Ⅺ)
鋼鉄の塊となって攻撃を受け付けない。原作をしっかり再現している。
しかしながら、スマブラにおいて、攻撃を受け付けないことが動けないことよりも重要かと聞かれると疑問符が浮かぶ。使いどころが非常に難しいのではないだろうか。
勇者御用達ではあるが、3Dモデルとなって間もなかったⅧでは登場しなかった。従ってエイトのみ使用できない。
ルーラ
スマブラ:8
原作:0(Ⅸ、Ⅺ)、1(Ⅰ~Ⅴ《スマホ》、Ⅵ~Ⅷ)、4(Ⅳ《PS、DS》)、6(Ⅱ)、8(Ⅰ、Ⅲ~Ⅴ)
原作では一度訪れた街(もしくは特定の町や最後に訪れた町)にワープする呪文。一部では戦闘から離脱することもできる。消費MPがリメイクによって変動しやすい。
スマブラでは戦場に復帰できる。上必殺技で帰れない場合は懸けてみる価値がある。
天井に頭をぶつける仕様も、そのまま採用された。スマブラスタッフのリスペクトが感じられる。
勇者は全員覚えられる。
パルプンテ
スマブラ:4
原作:15(Ⅱ)、20(Ⅲ~Ⅶ)
何が起こるかわからない呪文。原作での効果、スマブラでの効果は割愛する。
あえて言うなら、スマブラでは「ぶっ壊れ」にならない程度にとどめているように感じる。原作におけるボス戦での当該呪文の扱いである。その扱い辛さからスマブラでの消費MPは低いのだろう。
勇者の中ではソロだけが習得できる。
かえん斬り
スマブラ:12
原作:0(Ⅵ~Ⅸ)、2(Ⅺ)
いわゆる魔法剣で、基本的には属性攻撃とダメージ倍率が乗る。
スマブラでの効果はイマイチ実感しづらい。というのも、MPを12消費し、隙を見せ、他のコマンドを選ばず、特に追加効果のないこの技を使う必要性があるのだろうか。ただし文字通り火力は高い。
特技が存在する作品が出身のエイトとイレブンが使用可能。
マヒャド斬り
スマブラ:11
原作:0(Ⅵ~Ⅸ、Ⅺ)
原作には属性が追加されるが、スマブラでは凍結する。
原作において、プレイヤーキャラクターが使用できるのはⅥとⅦのみ。Ⅷ以降は敵専用特技となってしまったため、勇者たちは使用できない。
ただし、イレブンは似たような特技である「フリーズブレード」を習得できる。なぜⅪの敵が使用する「マヒャドブレード」でないのかは、もうよくわからない。
まじん斬り
スマブラ:15
原作:0(Ⅳ~Ⅶ)、3(Ⅶ《DS、スマホ》、Ⅷ)、4(Ⅺ)、8(Ⅸ)
Ⅷ以降ではオノ限定の特技となったが、敵は特に関係なく放ってくる。
当たれば会心の一撃(Ⅷは大まじん斬りに役目を譲り、まじん斬りでは通常の攻撃が出る場合もある)。スマブラでも勇者の仕様と非常にマッチしている。もっともスマブラの場合は、プレイヤーの力量によって当たるかどうかが大きく変わるが。
前述の特性上、勇者たちは覚えられない。
メタル斬り
スマブラ:6
原作:0(Ⅵ~Ⅸ)、2(Ⅺ)
原作では基本的に(みかわしにならない限り)メタル系に対して1~2のダメージを与え、他の敵及び味方には等倍のダメージを与える。
スマブラでは仕様が大きく異なり、メタル化及びアストロン状態の敵を即死させるが、そうでない相手には1ダメージを与える。
使いどころは難しい上、勇者使用時には警戒されるだろうが、攻撃としては非常に特殊であるために差別化できる。
かえん斬りと同様、エイトとイレブンが習得できる。
ためる
スマブラ:14
原作:0(Ⅷ、Ⅸ)
Ⅷでは個別のコマンドで、Ⅸでは特技のひとつ。原作では4段階まで重ねがけが可能で、呪文にも有効。
スマブラでは次の攻撃が強力になる。呪文には適用されない。
登場作品が少ないため、エイトしか使用できない。
最後のきりふだ
ギガスラッシュ
スマブラ:MP消費なし(スマッシュボールなど)
原作:15(Ⅶ、Ⅸ)、16(Ⅺ)、20(Ⅵ、Ⅷ)
原作では敵1グループあるいは全体にデイン系のダメージを与える。似た特技に「ギガソード」「ギガブレイク」「ギガブレード」「ギガクラッシュ」がある。外伝まで含めるとさらに多数。
スマブラでは多くの最後の切り札と同様、ヒットすれば演出とともに大ダメージと吹っ飛ばしをお見舞いする。歴代主人公が雷の力を与え、それを受けて勇者が回転斬りを繰り出すため、演出上はミナデイン+ギガスラッシュと言える。また、ギガデインにも回転斬りが含まれるため、これもギガスラッシュの一種と言えるだろう。さらには勝利演出でも使用される。
かえん斬りと同様、エイトとイレブンが習得できる。ただし、ソロはPS版以降のリメイク版でギガソードを使用できる。
参戦ムービーで最後を飾っていたアルスは一切使用する機会がない。しかし様になっている。なぜだ。