厨学生日記

サブカルと創作、そして黒歴史、厨二病

映画『ドラえもん のび太と雲の王国』の感想

僕は1990年代の生まれなので、子供の頃は旧ドラえもんをよく見ていました。わざわざビデオや DVD を借りて見ていたほどです。

もっとも、作品の内容が全て理解できたわけじゃありません。言っても中学生になって、ようやくわかってきました。高校を過ぎて、意味を考え出すくらいでしょう。

 

旧ドラえもんの中でも、僕のもっともお気に入りだった映画があります。それが、今回感想を書く『ドラえもん のび太と雲の王国』です。

Amazon Prime Video の対象だったので、久しぶりに見ました。

ここからはネタバレを多く含むので、ご注意ください。

 

冒頭はノアの箱舟がごとく、光とともに啓示が終わると、島が一家ごと沈んでしまいます。

お馴染みの「ドラえもーん!」の叫び声から始まります。……ここまでのび太は出てきていないけども。

 

のび太は学校で雲について学びます。

天国なんてないと馬鹿にされたのび太くんは家出しますが、ドラえもんが「雲固めガス」をはじめとした道具を使って、のび太たちは「雲の王国」を作ります。

 

ここらへんが、僕が気に入っているシーンのひとつ。

小学生の頃の男子なんかは、秘密基地といったものが大好きです。裏山のツリーハウスなどは憧れでした。

雲の王国なんて、素敵じゃないですか! 最高にワクワクします。

 

雲の王国を作る過程で、しずかちゃんとスネ夫、ジャイアンの3人が株主として雲の王国に参加。

怪しい雷雲や密猟者が雲に捕まえられるなど、不穏な空気が出始めます。

 

雪山に雲が引っかかってしまい、ドラえもんとのび太が降り立つと、冒頭に出てきた男の子が気絶したまま謎の生物の背に乗っていました。

のび太たちは彼を雲の王国で保護するも、家に戻っていた夜の間に、男の子を追っていた謎の男女に連れて行かれます。

 

翌日、のび太たちは男の子を探し回りますが、彼は見つかりません。雲の王国に戻ろうとしますが、間違えて「天上世界」に入ってしまいます。

謎の男女が皆を出迎え、彼らの正体は「天上人」であると知らされます。

 

キャンプを提供されますが、実質そこに閉じ込められる5人。「通り抜けフープ」と「タケコプター」で脱出を試みますが、雷雲に撃墜されます。スネ夫とジャイアン、しずかは再び天上人に保護され、のび太はドラえもんと合流。

しかし、ドラえもんは雷に打たれて故障していました。途方にくれながら壊れたドラえもんを連れ歩いていると、ドンジャラ村のホイに出会います。(てんとう虫コミックス35巻『ドンジャラ村のホイ』より)

 

ドラえもんが壊れる、という最悪の事態。今までにない絶望的な気分が好きでした。

また、過去のアニメ(漫画)に登場したキャラクターがゲストで登場し、のび太の助けになるシーンは胸が熱くなりますね。映画は映画で完結すべきだという理屈もわかりますが……。

 

冒頭の一家全員に出会い、天上人の「ノア計画」を知るのび太。

その内容は、地上を大雨で洗い流すものだった。

ちなみにこの頃、他の3人は「地上世界の客人」という名目で案内されています。指輪に発信器を仕込むなど、天上人は地上人を心の底から歓迎しているわけではなさそうです。

 

ホイの協力で天上世界から脱出し、のび太は雲の王国に戻ることができます。というのも、序盤で男の子を探すために使用していた道具が、のび太にも適用されたのです。

ドラえもんの故障を直すため、一旦家に戻ることにしました。どこでもドアを開くと、家が傾いています。階段からは水が押し寄せ、のび太たちは窓から放り出されます。

町中は大洪水。天上人たちのノア計画が実行されているのです。

 

今の日本では確実に放送できない内容。小学生当時の僕の脳裏に強く焼き付いたシーンです。

 

はずみでドラえもんの故障が直り、のび太とともに雲の王国へ。どこでもドアに取り付けていたダイヤルのズレに気付き、洪水は近い未来の出来事だと気付きます。

ドラえもんは「雲戻しガス」を設置。使うつもりはないと言いますが、天上人とドラえもんで、それぞれ地上世界と天上世界を懸けた交渉を行おうとします。

 

ここで、密猟者たちが雲の王国に侵入。秘密道具を悪用され、ドラえもんとのび太が捕まってしまいます。

密猟者たちが好き放題に振る舞っているため、ドラえもんが頭突きで「雲戻しガス」のタンクに穴を開け、雲の王国を崩壊させました。

 

天上世界での裁判で、地上世界について話し合われます。

ここで、なんとキー坊(てんとう虫コミックス33巻『さらばキー坊』より)が登場。傷ついたドラえもんを直し、天上人にノア計画の中止を決定させました。

ちなみに、モアやドードーものび太たちを弁護していましたが、彼らも過去作からの登場です。(てんとう虫コミックス17巻『モアよドードーよ永遠に』より)

 

 

ツッコミどころも山ほどありますが、整合性が取れていないのは割といつも通りなので、その辺はご愛敬。

秘密道具周りの伏線の回収がお見事。とても気持ちいいです。

全体的に見ると、最後だけ尻すぼみ感がありますね。勧善懲悪でなく、明確な敵もいない作品ですから、観終わった後の爽快感は皆無です。

環境問題、戦争など、1993年当時に問題提起をした異色の作品と言えるでしょう。

 

好みは分かれると思いますが、やっぱり僕はこの作品が大好きです。