これは厨二病ではないかもしれないが、僕のクソみたいな洋服センスから発症した病である。
洋服では一般的に、柄物は合わせ辛く、無地が使いやすいとされる。
おかしな英語が入った服などは中学生までに卒業した僕であるが、チェックのシャツ好き病はまだ治らなかった。……今でも1着、2着はある。
そんな僕が上記の鉄則を知り、もとよりシンプルなものを好む性格も手伝って、僕の服は無地ばかりになっていった。
あの頃、特に汎用的大学生だったと思う。
無地はいいぞ。
心が落ち着く。
基本的にハズレがない。
特に黒と白はなお良い。
僕は無地が好きになって、他の物でも柄がついたものやシャレた色合いを遠ざけるようになった。
黒があれば黒、白があれば白……そうでなくても、単色を好んで使っている。
色で遊ぶ、柄で遊ぶことができない。そういった病なのだ。柄好き病に比べれば、まだ目立たないだけマシかもしれないが、楽しさを捨てて落ち着きをとった。
昔から僕はそういう人間だった。格好良さよりも実利をとった。斜に構えていたとも言えるし、大人だったとも言える。
けれども、子供の時にもっと格好つけるべきだったのだ。格好つけて、恥を覚えるべきだった。社会に出てから他人になじられるのが極度に怖い、怒れる人間と同じような後悔だ。僕はもっと努力して、失敗するべきだった。
無地好き病は「逃げ」でもある。
そのような僕の人間的な欠陥はともかく、無地に罪はない。
無地はいいぞ。楽だ。
まあ、無地だろうが柄だろうが、結局顔と体型なんだけどね。
悲しいなあ……。