厨学生日記

曖昧な哀の毎日

天才と感覚が違うのがよくわかる――映画『スティーブ・ジョブズ(2013)』感想

Appleと聞いて思い浮かべる人物といえば、これは満場一致でスティーブ・ジョブズだろう。

僕は最近、現代の伝記的な映画を観るのにハマっていて、その中のひとつが彼の映画だ。

せっかくiPodやiPhoneを使っているのに、彼についてATARI社で働いていた以上を知らないのは寂しい。今回、この映画を観たのはそれが理由だ。

 

 

超簡単なあらすじと感想① プロローグ〜大学まで

映画はiPodの発表会で始まる。

ジョブズは大学を中退していて、他の学生のように平凡な生き方をしなかった。

ただひたすら自由に過ごし、時には放浪の旅をしていた。

 

なんの目的もなく大学へ進む日本の学生に、劇中でジョブズが述べた言葉を伝えたい。

「高等教育の価値は否定しないけれど、その分、経験から学ぶ機会を失っている。大学はシステムを生み出すシステムだ」

「親の金を使って、学位を取って、平凡な技術者なんてなりたくありません」

ジョブズには知識と才能があるからこそ実行に移せるのだが、大学に行くなら目的を持ってほしい。

自分で学費を稼いででも大学へ通いたい人などには関係ないが、親の金を使って、惰性で大学に通うのだけはいけない。

 

超簡単なあらすじと感想② ATARI社と親友

ATARI社で働いていたジョブズだったが、その協調性のなさから疎まれていた。

自分だけでゲームを作り直す流れになり、友人のスティーブ・ウォズニアックとともに改良し、結果としてATARIから5000ドルの報酬を得る。

ジョブズはウォズの部屋にあるコンピュータに目をつけた。当時としては画期的な、今行なっている作業をそのままモニターで見られるという、現在のパソコンに繋がる技術だった。

 

良い出会いは人生を好転させる。ジョブズは技術者としても優秀ではあったが、抜群ではなかった。彼のスペシャルな性質は、プレゼン力とデザイン力、全く折れない精神力、独創性あふれる発想力にある。

ウォズに出会ってから、彼は頭の中にある製品を実現できるようになった。

 

超簡単なあらすじと感想③ Apple誕生

ジョブズたちは製品を売り込んだが、失敗。社名をAppleとして、製品にApple-Ⅰと名付けて挑んだプレゼンも失敗と苦戦していた。

そこにコンピュータを売る店が声をかけ、交渉の末に販売契約を取り付ける。

また、Apple-Ⅱの開発に生産難易度の高い電源を製作するよう技術者に頼み込むなど、資金と技術者集めに余念がなかった。

Apple-Ⅱの完成とプレゼンに大成功したジョブズは、自社ビルに多数の社員を抱える大企業の経営者となる。

 

良い製品は売れる時代だったのもあるが、ジョブズの「より便利に」を追求する姿勢は凄まじい。

効率化の権化とも言えるし、確かに日本でもそんな人種はいる。ただ、彼らもまた疎まれやすいように感じる。

1回の成功を掴むまでのたゆまぬ努力と、チャンスを逃さずに目を凝らす姿勢を見習わなければならない。

 

超簡単なあらすじと感想④ ジョブズの浮き沈み

次世代のLisaプロジェクトを進める中で、Apple-Ⅱの完成を共に過ごした仲間たちを「会社についてこられない」と切って捨てるようになる。

ある日、ジョブズは役員会でLisaプロジェクトから外される。金と時間を大量に費やし、IBMに喧嘩を売ったからだった。

ジョブズはMacintoshのチームに入った。ウォズを含む、社内の優秀な技術者たちを集めて、Macを完成させた。

しかし、Macの値段を巡って経営陣と対立。ジョブズの提案は通らず、LisaとMacは失敗、経営陣から責任を追及された。その最中、ウォズから退社する旨を伝えられ、ジョブズはショックを受けた。

ジョブズは追い出されるようにAppleを辞めた。

 

ジョブズは非情だった。それは経営者であれば当然で、会社(と製品)のために足かせは外さなければならない。

しかし、もう少し社内での人間関係を円滑にしていれば、まだうまくいったのではないだろうか。ジョブズが自分の有能さを理解していれば、自分の言っている話を他人が理解しないのにも気付いただろう。より良い人間関係を築くのも投資なのだ。

そんなジョブズでも、親友のウォズが離れたのはショックだったようだ。ある種、人間味を感じさせる。

 

超簡単なあらすじと感想⑤ ジョブズの復帰~エピローグ

ジョブズが辞めたApple社は徐々に業績を落としていった。新しいCEOが就任する。

NEXT社を起こしてパソコンを作っていたジョブズの元に、Appleへ戻ってほしいと連絡があった。実に11年ぶりに、ジョブズはApple社を訪れた。

ジョブズが社内を見回っていると、若いデザイナーの作品に目が留まった。そのデザイナーに話を聞くと、かつて自分が提言していたAppleの理念が生きているとわかった。

ジョブズはApple社の顧問として復帰し、またしばらくしてCEOとなった。そして、自分がいない間の役員たちを一新した。

映画は広告のメッセージを録音するシーンで閉められる。

 

ジョブズは劇中で憤るシーンがいくつもある。しかし、人を恨んだり憎んだりはしない。最後に旧役員を一掃したのも、復讐が目的だったのではない。

ジョブズは変化を求めた。現状を良しとせず、絶えず変わり続けようとした。良い結果もあれば、悪い結果もある。それでも変化を求める人が、世界を変えると考えていたのだ。

 

まとめ

僕は変化が苦手です。ジョブズに言わせれば、僕のような人間が足を引っ張るんだろうなあ。

彼の人間性はお世辞にも良いと言えません(恋人が妊娠したら捨てて認知しないなど)が、天才ゆえの共感性の低さ、効率の良し悪しに忠実なのでしょう。

ここまで振り切れれば人生楽しいだろうな。真似しない(できない)けど。

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