厨学生日記

曖昧な哀の毎日

小学校の同級生が会社を興して社長になっていた

隣の芝生は青く見えるが、どうにも雑草まみれに見える。あるいはそう願っている自分がいるのかもしれないという話。

 

小学校の同級生が会社を興して社長になっていた。名前をMという。Mは人を集めるタイプではなかったが、好かれても嫌われてもいなかった。変なところに真面目で、変わり者で、発明家であった。なによりMという人間として強烈であった。ゲームに登場するデバイスの絵を画用紙に描いて、それを友達に配ったので、そのゲームを遊んでいた界隈では話題になったのをよく覚えている。

Mと同じ中学に進学したが、特に思い出すようなエピソードはない。高校は別になったが、大学で偶然にも再会する運びになった。

僕も人のことを言えた立場ではないが、小中高まではそれなりに成績が良かったにも関わらず、なぜ僕と同じ三流大学に来ているのか不思議でならなかった。特に話す機会もなかったので、そのまま月日は流れた。

Twitterを眺めていたところ、おすすめのフォロワー欄にMがいた。ホーム画面を見てみると、意識の高い文言とともに株式会社○○の代表取締役社長と書かれていた。どうやら彼は大学を休学しながらいろいろと活動をしていたようで、通常4年で卒業できるところを大きく上回って卒業したようだ。大学の広報誌にも載っていたらしいが、僕はまったく興味がなかったので見逃していた。

 

Mの興した会社の理念は、地元に起業する人を増やしたいということらしい。

曰く、自分が変わったことをするとそれを抑えるような扱いを受けてきた。出る杭を打つ風土を変えて、起業家を増やしたいと。

Mの意気込みが書かれた文章は、気持ちのいい横文字が並んだ精神論だった。

具体性の欠片もないように感じたが、まあ初心者にはわからないだけだろう。崇高な精神で飯を食えるといいなと思った。Mの言う「抑圧」を体現した気分で、なんだかおかしくなった。

彼の理念を達成するならこうするべき、なんて考えも浮かんだけれど、それを書いても面白くはなるまい。

 

 

 

ここ最近、オンラインサロンの悪い話をよく耳にする。参加する人たちを馬鹿にするつもりはないし、Mがその餌食になったとは思わない。

ただ、彼の新しい友達は、どうにも僕の通っていた小学校の同級生たちと住む世界が違うようだ。遠くの世界に旅立った彼の成功を祈ろう。無事の帰還などは祈らないけれども。